(写真=林幸一郎)

 「徹底したユーザー目線で商品づくりに挑み、細部までこだわりを大切にする職人気質な一面」と、「他者のアドバイスに素直に耳を傾ける人間としての謙虚さ」――。

 一見すると、相反するような魅力を併せ持った起業家がWHILLの杉江社長である。

 出会いは、起業家が集まる会合だった。さまざまな夢を抱く起業家がそろう中でも、ひときわ人を惹きつけるオーラをまとっていたのが杉江社長だった。商品づくりにかける想いを誰よりも熱く語っていた姿を、僕は今でも鮮明に覚えている。

 車イスに装着すれば、時速20kmまで加速できるスタイリッシュな次世代パーソナルモビリティ、「WHILL」。この開発に当たっても、杉江社長はユーザーの声に徹底して耳を傾けている。常にユーザー目線で、「いいもの」を作っていく姿勢を貫いているのだ。

 そんな杉江さんこそ、まさに「2014年の主役」にふさわしいだろう。杉江さんの活動は車イスに留まらず、ほかのハードウエアの開発へ広がる可能性を感じさせてくれる。

 2013年には伊藤忠テクノロジーベンチャーズや500Startupsなどから、100万ドルの資金を調達することにも成功した。近い将来、彼らの商品が世界中に届けられる日を、待ち遠しく思う。