(写真=竹井俊晴)

 日本の製造業復活の鍵は、その卓越した「モノづくり」能力を「稼ぐ力」に昇華させられるかにある。どんなに素晴らしい技術をすり合わせ作りこんでも、顧客がそれに金を払わなければ、技術屋の自己満足に過ぎない。

 開発・生産現場主導、ボトムアップという日本型「モノづくり」企業は、かつては大変な力を世界で発揮した。しかしグローバル化とデジタル化の時代に求められるのは、マーケットインの発想。この瞬間、何を自社でやり何をやらないか、何をしっかり作りこみ、何を標準品ですませるかのメリハリ、「あれかこれか」の冷徹で果敢な取捨選択だ。

 これはボトムアップだけでは絶対に出来ない。液晶パネル産業で事業の再編・統合が遅れ個別撃破されてきた一因も、参入各社が誰も自社の事業が統合される(≒捨てる)側に回りたくなかったから。ジャパンディスプレイの業績回復は、一応の統合効果と市況の回復によるものだろう。

 競争は続く。経営者は、ゼニを稼ぐための「あれかこれか」の大決断と、迅速な実行を繰り返さねばならない。これからが「経営力」の勝負になる。