(写真=大高和康)

 国際弁護士の中でも飛び切りの本格派――。大手商社初の女性執行役員としてクローズアップされやすいが、彼女の「本質」はもっと別のところにある。単に法律知識を切り売りするような弁護士ではない。好奇心に満ちて、ビジネスの現場が大好きなのだろう。

 米法律事務所で手がけた最初の案件は、窓ガラスを輸送中に割ってしまったメーカーが顧客に代金を請求したら逆に訴えられたケース。被告のメーカー側の弁護士だった彼女は、「危険負担の義務が相手側に移転していた」と主張し数百万円の代金を全額回収した。

 伊藤忠商事がブラジルで鉄鉱石事業の買収をまとめたのは2008年秋。伊豆に新婚旅行に向かっていた彼女は、「交渉が最終局面に入った」という一報を受けた途端、米ニューヨークに飛んだ。海外企業買収が増えるほど、国際弁護士はニッポンという国力の代弁者になっていく。

 男か、女か。それは真のプロフェッショナルにとってはささいな違いでしかないのだ。