(写真=後藤麻由香)

 日本の自動車市場は成長こそ止まってはいるが、デザイン面からはまだ成熟した市場とは言い難い。デザインは企業経営の要であり、これから日本経済の再生にとっても重要な柱となる。

 それは単に「売れるデザイン」ということではない。企業の長期的な成長を支えるための、ブランドとヘリテージ(伝統)を見極めたデザインが大切になる。

 和田くんと最初に会ったのは20年ほど前、ロンドンの英王立美術大学だ。彼は日産自動車から英国に留学し、私はいすゞの欧州スタジオで責任者を務めていた。2人にとって、成熟した文化の欧州で得た経験は大きい。

 その後、彼は独AUDIで活躍して独立した。私はインハウス(企業内)、彼はフリーランスと立場こそ違うが、世界をリードするデザインを目指すというビジョンは共通だ。理想の実現に向けて走り続けている彼に期待したい。