武田薬品工業が2014年6月から新社長に、フランス人で、英国大手製薬企業グラクソ・スミスクライン(GSK)の成長部門ワクチン事業を統括してきたクリストフ・ウェバー氏を迎える。創業1781年という老舗中の老舗、武田の外国人社長選出に対して、日本ビジネス界ではやや驚きの声も上がった。

 2012年、武田の売上高は1兆6000億円規模。世界最大のファイザーの3分の1ほどにとどまる。しかも地域別の内訳を見ると、アジア圏は4%足らず、インド・南米・アフリカなどの新興市場に至っては1.6%と取りこぼしに近い。

 新興市場攻略のカギはワクチンだ。GSKでワクチン事業を統括してきたのがウェバー氏なのだから、この人事はかなりロジカルだということができるだろう。

 僕の師匠アルフレッド・チャンドラーは「組織は戦略に従う」という名言を残した。どのような組織形態を採用するかは、実行したい戦略に依存するという意味だ。そして、「人事も戦略に従う」のである。日本企業もやるべき戦略がグローバル展開ならば、そのリーダーは世界中の幅広い人材プールから選ぶのが当然だ。国境とか国籍ではなく、何を実行したいのかが問われている。