
大ベストラー作『永遠の0』(講談社文庫)の解説を書いた児玉清さんから生前こんな言葉を聞いたことがある。「人生は50歳からだ」。人間は人生の終わりが見える年になると努力をしなくなる。だから50歳から努力した者が伸びるのだ、と。
放送作家として「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)を長年支え続け、50歳を過ぎて作家デビュー。その後スポコン、スズメ蜂の世界、時代小説、美容整形、恋愛、ノンフィクション、と一作ごとにテーマもジャンルも全く違った作品を発表し続ける。一度確立した得意ジャンルをあえて捨て、退路を断ち、道なき道を突き進む。一見無茶にも思えるやり方だが、それこそが作家本来のあり方であり、きっとその人の生き方なのだとも思う。
わたしのイメージは(失礼ながら!)やんちゃな男の子という感じ。周りの人間を笑わせ楽しませるやんちゃな男の子は、ひたすら「面白い」を追求する作家に成長したのかもしれない。
先に挙げた児玉さんに「彼は大きな賞を取るよ」と言わしめ、「人生は50歳から」を体現した人、それが百田尚樹さんです。
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