
原石のままの女の子―― 。話し方、表情、そして間。何をとってもアキ(撮影現場ではこう呼んでいました)には独特のリズムがある。磨かれていない原石のままの可能性を秘めた少女。NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」を通して、私はアキをこう見ていました。
ベテランがそろう現場で、主役を務めるアキには想像しがたいプレッシャーがあったことでしょう。けれども重圧に押しつぶされず、「天野アキ」を演じきった。
もちろん長い間一緒にいるのだから、アキが辛いだろう、苦しいだろうと感じることも何度もありました。けれど彼女はどんなときにも、不平不満をもらさずに、彼女らしいマイペースで乗り切った。
多くのファンが、これからの女優・能年玲奈に大きな期待を寄せているはず。おそらくこの先、彼女の女優人生には想像もしないような成功や失敗があるでしょう。けれどね、私たち女優は全てが糧になる。
「この先つれえことがあったら、こいつで涙拭け。そんで思い出せ。寒い朝、浜さ出て潜った時のこと。あれよりつれえことはまずないから」。
アキ、あなたは逃げずに朝ドラの主役を演じきった。辛いときはその頃を思い出して踏ん張ってね。
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