
芸術祭でにぎわう瀬戸内の島々で、「こえび」たちが走る。それは久々に見る、日本の若者の元気な表情だった。こえび隊とは、瀬戸内国際芸術祭の運営を支えるボランティア部隊。島やアートが好きで、芸術祭を手伝いたいという有志たちの集まりだ。このこえび隊を発案し、指揮するのが、芸術祭の総合ディレクターであるこの人である。
画一的な偏差値教育の影響で、平均的にレベルは高いが個性がないといわれる今の子どもたち。彼らに欠けているのは、自分の意思で物事を組み立て、問題を乗り越えた時の達成感、充実感だ。この時の感動こそが、人を豊かにする。北川さんは、そのことを強く意識しているのだと思う。
こえび隊のシステムは、一見合理的でありながら、子どもたちが抱えている問題の対策にもなりうるという点で、画期的なアイデア。北川さんの発想力には感服する。もしかしたらここから、日本の子どもたちが変わっていくかもしれない。
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