
一代でユニクロを生み、売上高1兆円超の企業に育てた柳井さん。ぶれない信念を持ち、何事にも集中する。そして何より負けず嫌い。柳井さんの持つこんな強さが、「ユニクロ」を世界規模のブランドに育て上げたということは、一緒にゴルフをする中でも、ひしひしと伝わってくる。
私が30年以上描いてきた「島耕作」とは、明らかに違うタイプの社長だろう。在野精神に溢れ、猛烈な勢いで目指す頂へと一直線に突き進む。私が知る経営者のなかでも、「モーレツ」「パワフル」という言葉が最も似合うのが、柳井さんとソフトバンクの孫さんだ。2人とも、一代で1兆円を上回る規模の企業を育てるだけあって、発言の隅々に自信がみなぎり、頼もしい。
日本企業の多くは、日中関係の悪化を機に「脱中国」を進めていった。だが柳井さんは今もなお中国と真摯に向き合っている。2013年には上海にユニクロの世界最大店を構えたくらいだから、中国市場にかける思いは強いはずだ。
だからこそ私は、柳井さんに日中民間外交における日本側の代表的な存在になってもらいたいと思っている。真摯でパワフルな柳井さんの姿とユニクロの品質・コストパフォーマンスの高さ。この2つは日本の良い部分を象徴しているはずだ。
フリースやヒートテックが日本と中国の関係好転に大きな役割を果たす。私はそう信じている。
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