
アートは、私たちの感性を広げる。そのためには越境することが大切である。男と女、国と国、人間と自然。身体とテクノロジー。スプツニ子!は、ボーダーを超えていくことを何気なしに体現し、結果として彗星のように輝く。二十一世紀になり、ネットがすべてを溶かしていく今も、私たちの多くは依然として囚われている。だからこそ、スプツニ子!が軽やかに越境していくことで、心の中の何かが動くのだ。
彼女は何者か? 日本人、英国人? 数理系、アート系? アーティスト、大学関係者? スプツニ子!を「既決」のホールダーに入れようとしても、うまくは行かない。そして、彼女は、あくまでも健やかに、大らかに、美しい微笑みを浮かべながら立ち続けている。
アートのイベントや、テレビ番組の収録でスプツニ子!と接していて感じることは、彼女だけは容易に消費されまい、ということだ。彼女の奥底にある知性、批評性、そして愛に、時代はまだまだ追いつかない。彼女は囚われ人にとっての刺激であり、希望である。これからもスプツニ子!は、空に現れ虹色に光る謎の天体として、私たちをインスパイアし続けるだろう。
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