(写真=ロイター/アフロ)

 軽・小型車の雄、スズキ。鈴木俊宏さんはこの1年半、副社長4人で構成する経営企画委員会の取りまとめ役として、リスク対策など重要課題に取り組んできた。会見もすっかり板についてきた。軽快なアドリブで記者を沸かせる実父・鈴木修会長とは違う、静かで落ち着いた語り口が印象的だ。

 ゴルフでも「実直」な性格が出る。ボール後方に立ち、ターゲットを直視するアドレス前のルーティンを欠かさない。プレー中は無駄なく、きびきびと。だが、プレー後にテーブルを囲むと、小気味良い冗談で場を和ませる。

 グローバル展開でも才能が生きる。新興国はリスクと成長が裏腹の関係にあるが、彼の冷静な判断が事業をリードする。もちろん、業界最年長トップである「親父の背中」は、あまりに大きい。だが、百戦錬磨の父親とは違う、しなやかなしたたかさを秘めている。「やらまいか」のDNAが引き継がれることを期待しているのは、私だけではあるまい。