野田首相は「実行」、「責任」、「力強く推進」、「毅然として」、挙げ句の果ては「命を賭ける」とか、仰々しい漢語が好きな古い政治家のひとりである。「命を賭けた」増税法案を、野党の力を借りた「民自公合意」で成立させたあとは、福島事故以来、国民的な要求の強い「脱原発依存」が最大のテーマになった。

 が、電力会社と財界の要求を退けることができず、原発再稼働にゴーサインを出して腰砕け、脱原発運動を一挙に盛り上げた。政府主催のパブリックコメントでさえ、原発ゼロの意見が8割以上を占め、党内でも若手から「選挙を戦えない」との突き上げが強く、「2030年代、原発ゼロ」の方針をだした。が、自民党、財界ばかりか米産業界からも猛然たるブーイングがでて、 毅然も、実行も、責任も、決断もできない泥沼。更にオスプレイ配備を認めた後、TPPの締結を迫られる。

 だが、脱対米依存から東アジア共同体へとむかうのが21世紀日本の生きる道だ。このままではアジアのバスに乗り遅れる。「脱米入亜」。対米従属政策から脱却し、隣国と争わず(平和)、貧しきを救い(平等)、人を大事にし(人権)、自然と共生、相互扶助を国是とするアジア的な文化の優等生として、世界に発信する。ノーベル平和賞を受賞するような毅然とした気位が欲しい。