(写真=Bloomberg via Getty Images)

 大統領選挙を間近に控える米国。衰えを指摘する声もあるが、影響力は依然として大きい。

 熾烈な戦いのオバマとロムニーだが、どちらが大統領になっても、保守とリベラルの深刻な分裂は癒えない。オバマは「1つのアメリカ」を目指すのか、分裂を認めた上でリベラル政治の実現に賭けるのか、自己の再定義が問われる。ロムニーなら「小さな政府」路線で富裕層減税、規制緩和などを推進し、医療保険改革法も廃止に追い込む。民主党は反発し、政争が激化する。

 では、選挙結果が日本に与える影響はどうなのか。国防予算削減や米中関係のあり方は、東アジアの安全保障、領土問題に深刻な影響を与える。ただ、超党派の専門家集団が盤石な日米同盟を築いてきたことから、日米関係が崩れる事態は考えられない。オバマは人間関係でなく、「仕事ができるか」で人を評価する。野田総理は首脳会談で「4項目(TPP、牛肉、普天間、ハーグ)」に方針を示し、「実務的」と評価された。李明博を評価したのも、実務性にすぎない。オバマ継続なら、日本のトップの姿勢次第となる。ロムニーも合理的判断を好む上に、信仰に篤く、酒も珈琲も飲まない堅物。いずれにしても、ブッシュ・小泉のような濃密な人間関係に依存した日米外交が再来することは期待できない。