(写真=五十嵐隆裕)

 鉄鉱石と石炭が高炉で溶け合い、凄まじい灼熱の中、一気に製品へと圧延していく。その後、ミリ単位以下で微細に板厚を調整し、細密なめっき加工を施す。

 見る者を虜にする豪快さと、緻密な調整の組み合わせ。製鉄事業とは、まさしく宗岡さんの人柄そのものだ。自然体だが、その実、気配りの繊細さが光る。意思決定は理詰めで思考するが、時に臨機応変な対応に出る。相手に合わせた話術も巧みで、キラリと光る一言が飛び出す。そうかと思えば、東大柔道部主将を務めた豪傑な語り口。頑強な体格と強烈な男気が相まって、相手を圧倒する。

 旧新日鉄は1970年の合併で誕生したが、宗岡さんは一期生。奇しくも宗岡さんが、粘り強い交渉と大局観を持って、大合併を決断し、産業界の将来像に1つの回答を提示した。難局を乗り越え、世界に存在感を示すだろう。