(写真= AP/アフロ)

 「天才」。シュルツ氏を一言で表すと月並みだがこの言葉になる。直観が鋭く、世の中の先を見通す洞察に長け、直ちに要領をつかんでしまう理解力…。まさに天才だ。

 そしてスターバックスの経営には、「ロマンス」と「効率」という二律背反的な要素が共生している。直情的で心意気を尊び、類まれな実行力で挑戦を続ける「夢追う青年」としての側面。一方で、功利主義で厳しい決断も辞さない優れた経営者――。両面を併せ持つシュルツ氏そのものとも重なる。その原点は、父親の不遇の仕事人生にある。非正規雇用者として苦労を重ね、生活保護を受けていた。幼少期のこの生活環境が強く影響し、スタバではアルバイト社員まで「パートナー」と呼ぶことにつながる。

 危機に瀕するたびに原点に戻る強さとグローバルな視座、豪快なビジネス手腕を目の当たりにするにつれ、「日本人にはなかなか手ごわいぞ」と気が引き締まる。