(写真=読売新聞/アフロ)

 太くて密度の高い音色とスケールの大きい闊達な音楽作りが魅力。その演奏には、すでに堂々たる風格さえ感じさせる。メータ、テミルカーノフ、チョンなどの巨匠たちにも愛され、世界各地で共演を重ねてきた。

 とにかく勉強熱心だ。1999年に16歳でパガニーニ・コンクールで優勝した時には、史上最年少、日本人初の快挙と騒がれたが、そうした声はさらりと聞き流し、ドイツやフランスでの勉強を優先。共演者や曲目を慎重に選びながら、演奏活動の幅を広げていった。

 古楽奏法の指揮者との共演など、新たな試みには積極的にチャレンジし、現代音楽にも熱心に取り組む。とかく音楽会の主催者は、チケットの売れやすいポピュラーな曲目ばかりを期待しがちだが、商業主義には安易に妥協しない頑固さも秘めている。

 画家である母の影響か、絵画や映像などのヴィジュアル・アートにも造形が深い。自ら絵を描き個展も開いた。読書家でもある。愛読書は、ドストエフスキー、カミユ、カフカなど「精神性の高いもの」。本から音楽のイメージを膨らませることも。そうした様々な芸術のエッセンスを注ぎ込み、彼女の音楽の世界は、ますます広がり、深化している。