(写真=代表撮影/AP/アフロ)

 中国13億人の中から生き残っただけに、敵が少ない政治家に違いない。中国共産党という官僚機構をまとめるには、リーダーシップの有無よりも周囲との調和が求められる。幹部の多くを占める2世政治家の代表として、最も据わりがよかったに過ぎない。

 習近平は「第5世代」の1人に位置づけられている。文化大革命の艱難辛苦を乗り越えているだけに、権力の使い方や政治改革の必要性を理解していると評価する向きもある。ただ、格差が拡大する中で、既得権を握る中国共産党中央に統治の正統性があるのか、疑問符が突きつけられている。反日デモに毛沢東の写真が掲げられたのはその象徴だろう。

 その批判をかわすには政治改革が不可欠だが、鄧小平を最後に、中国の指導者からカリスマ性は消えた。幹部の腐敗や組織の官僚化が進む中で、カリスマなき指導者に改革を進められるとは思えない。習近平の中国。その舵取りは想像以上に難しい。