(写真=千葉和浩)

 「随分と元気な学生だなあ」。これが当時、大学院生だった小松くんの第一印象である。関西弁の明るい声色で、次々と質問を繰り返す。分からないことを徹底的に聞いて理解する姿勢は研究者にとって基本中の基本。だが、簡単なようで難しい。彼は恥を恐れず、疑問に正面からぶつかっていく。そこに新鮮な息吹を感じた。

 その後、彼は米プリンストン大学に留学し、宇宙マイクロ波背景放射観測衛星「WMAP」のプロジェクトチームに参画。ここで「世界で最も引用された」と評される論文を書いた。現在観測し得る最も遠い宇宙からの光を測定し、宇宙の誕生からわずか38万年後の姿を明らかにした。宇宙が今、誕生から約137億年経っていることも彼の研究によって明らかにされた。

 誰とでも分け隔てなくフランクに接し、疑問に対して真摯に向き合う。彼の“大阪人根性”は、今後も宇宙の謎を一つひとつ解明していくと期待している。