(写真=佐藤博信)

 「サービスが先、利益が後」「世のため、人のため」。「宅急便」の生みの親であり、名経営者として知られるヤマト運輸2代目社長の故・小倉昌男氏は生前、そんな名言を残された。私は、旧富士銀行時代の部下だった木川くんがヤマト運輸に転じると聞いて、たとえ畑違いの業界でも、小倉氏が築いたヤマト運輸ならば、きっと彼の個性は生きると感じた。

 爽やかな表情とソフトな物腰。意見が対立しても、声を荒らげることなく丁寧に、言葉を重ねて相手を説得する。気がつくといつの間にか誰もが彼の意見に納得する。会社の都合ではなく、お客様を第一に考えて信念を貫く姿勢は、まさにヤマトグループが培ってきた経営哲学そのものだ。

 今、彼は新たな挑戦を始めている。宅急便で成長を遂げたヤマトグループを、物流プラットフォーム全般を担う企業へ変貌させ、アジアへと乗り出している。小倉さんのDNAは、木川くんの手によって、世界中で羽ばたこうとしている。