(写真=AP/アフロ)

 「果たして再起できるのだろうか」――。今年2月、国枝くんが右ひじの手術をしたと聞き、夏のロンドンパラリンピックは難しいのではないかと感じた。だが彼は決して諦めなかった。五輪まで半年を切った中で、猛烈なリハビリによって回復。男子シングルスで史上初の2連覇となる金メダルを獲得した。

 私が何より驚いたのは彼の集中力である。勝利に対する執念とその練習量は、我々の想像をはるかに超えている。みなさんは、彼が1日何時間、腹筋を鍛えていると思うだろうか。実に4時間である。それを彼は、「車いすプレーヤーにとって、腹筋を鍛えることは足を鍛えるのと同じ」と淡々と話す。それだけ鍛えなくては世界トップの座に就くことはできない。肉体以上に、その精神力に感銘を受けた。この強さがある限り、 “史上最強”の座は揺るがないだろう。