(写真=千倉志野)

 古森氏とは大学の同期である。多くのフィルムメーカーが時代の波に呑まれ、市場から消える中、富士フイルムは既存ノウハウを転用し、薬品・化粧品事業へ進出するなど新分野に成長を求め、見事にフィルム依存から多角的事業構造への転換を果たした。彼の経営手腕の結実であり、賞賛に値する。

 世界は今、世紀の変革期にあり、日本は最も死活的な立地と苛烈な環境変化に直面する。従来の常識や経験を投影しても通用せず、地図の無い荒野を行くが如しである。組織の命運を決めるのは、リーダーの直感力、決断力、意志力。自らの本能と知性に基づき行動するリーダーこそが日本を救う。

 日本人が歴史の中で培った特性は、内向き志向、人の和の尊重、ルール下での勤勉さだった。古森氏はそれを越える稀有な存在であり、変革期に必須の人材である。