(写真=佐藤博信)

 「経団連を脱退しようと思います」。8年間務めた経団連会長を退任した数年後、三木谷くんは脱退を決意して私の元を訪れた。私が加入を勧めたから来たのだろうが、何事にも筋を通す男だと改めて感じた。

 一橋大学在学中、体育会テニス部でキャプテンを務めた。人を統率する力は当時から備わっていたのだろう。しかし今、彼が担う役割は楽天という企業のトップに留まらない。日本の経済発展に不可欠である、若き起業家たちのリーダーとなり、ITを駆使した産業を育むこと。そして改めて、日本がグローバルで戦えるよう力を養うこと。

 彼が主導した社内の英語公用語化には当初、否定的な意見も上がった。だが結局は彼の予見した通り、日本企業であっても英語が話せなければ通用しない時代になってきている。古い慣習に縛られず、新しいものに果敢に挑戦する。時代の寵児である彼が担う責務は大きい。