(写真=菅野勝男)

 開発途上国では約10億人が食料難に苦しんでいる。一方で、先進国はほぼ同数が肥満などの生活習慣病に悩む。この構図を解決しようと小暮氏が2007年から参画したのが、NPO法人のテーブルフォーツー(TFT)である。

 企業や大学の食堂で、カロリーの低い健康的な食事を提供する。その代金に、アフリカにいる子供の食費である20円を上乗せして、TFTに寄付してもらう。アフリカの子供と一緒に食事をしよう――。「2人のための食卓」と名づけたゆえんである。

 米マッキンゼーから松竹に転身。そんな安定したキャリアを捨て、社会貢献活動に飛び込んだ。彼を突き動かすのは純粋な「貧困から救いたい」という思いだ。人は情熱だけでは動けないのも事実だ。しかし、情熱がなければ世界的な問題など解決できるはずもない。しかも優れた知性を兼ね備えている。彼のような社会起業家は日本ではなじみが薄い。だが、「人のために何かをする」という思いが原動力となる組織は、日本人の気質に合っている。日本発の社会起業家を数多く増やすためにも、小暮氏はTFTを成功させる使命がある。