(写真=都築雅人)

 銀行勤めの傍ら、地域振興や観光などの問題をテーマに全国各地で講演に明け暮れている。昨年刊行の新書『デフレの正体』はベストセラーとなり、東日本大震災を受けた政府の復興構想会議の検討部会委員としても積極的に復興策を提言した。「地域振興の伝道師」と呼ぶにふさわしい藻谷浩介君はその活躍の舞台を一段と広げている。

 彼は頼まれれば、スケジュールの都合がつく限り講演に出かける。全国津々浦々を訪ねて得た情報や統計を使って「これまでは正解だったかもしれないが、今は違いますよね」と、事実だけを提示するのが持ち味。これは明快な説得材料になるが、何も知識を披瀝したいがために全国を回っているのではない。「誤解から前に行けない地域の人たちを助け出したい」との熱意や使命感が行動力の源だ。味覚も含む優れた感性の持ち主でもあり、今の彼の立ち位置は「天職」、そして今後も疾走し続けるだろう。