(写真=菅野勝男)

 自分では写真家と名乗っていて、冒険家や、作家とは言ってないけれど、そっちの面でも超のつく一流だと思う。高校時代にインドとネパールを旅して、2000年には北極点から南極点を踏破し、2001年にはチョモランマに登って世界7大陸最高峰登頂の最年少記録を塗り替えた。

 今年の活動を見ても、ものすごい。カトマンズ(1月18日)→東京(2月8日)→南極(2月27日)→東京(3月10日)→被災地(3月13日)→エベレスト(5月20日)。この所在地の順番は、感覚に任せて動いているのでしょう。もう、追認するしかないですね。

 冒険家とホラ吹きは紙一重だけど、彼の話にはホラがない。文化人類学や民俗学にも明るいけど、ほんとの自分の言葉になっていないことは口にしない。『最後の冒険家』で開高健ノンフィクション賞を受賞しているけど、事実を原寸で語るという感覚。すべてが自然体なんだ。

 ご先祖様が作家だという話もあるけれど、血というのもあるのかなぁ。譜面が読めるロックミュージシャンというか、モーツァルトが冒険しているイメージ。自然体ですごいことをしている。

 時代は知性から野生の時代に入ろうとしているけど、その野生を体現している。等身大だからこそ、世界と正確に触れられる可能性があるよね。自然にさらに大きな人になっていくと思う。