(写真=アフロスポーツ)

 スポーツのパフォーマンスは、4要因で構成される。「心・技・体・生活」だ。昨今は栄養学やトレーニング手法の進化もあって、技と体では大きな差がつかない。つまり、心と生活が大きな要素になる。

 石川遼の場合はまさにその典型だ。筋力トレーニングの成果で飛距離はそれなりに飛ぶが、身長は175cmと小柄の部類に入る。技も、力が下半身から上半身へとスムーズに流れる様は磨き抜かれたものを感じるが、他の選手と大きな差は感じない。

 彼の強さは、心と生活の強さにある。ポイントは、彼が今年の賞金をすべて被災地に贈ることを決めたことに表れている。心を強くするポイントは、「自分有形(勝利、賞金)」「自分無形(自信、誇り)」「他者有形(被災地寄付)」「他者無形(被災者に勇気を)」。石川は他者への意識が強い。実は、他者無形、つまり大義のために戦う時、心が突出して強くなり、技術や体力の差を乗り越える。その思考を育んだのは、家庭環境(生活)にほかならない。他者、社会のために試合に臨む決意を強めている石川は、これから一回り成長した姿を見せてくれるだろう。