(写真:時事通信)

 イトーヨーカ堂の衣料部門の再建を託された僕が、志半ばにして病に倒れた時、親身に相談に乗ってくれた。僕にとって彼は、かけがえのない人物だ。話の途中でおもむろにホワイトボードを使って、これから僕が果たすべき社会的役割を説明し始めた。

 「静かに淡々と、けれども情熱と優しさを持って、論理的に」。それは、経営者としての彼の姿そのものだった。

 彼にはセブンネットショッピング入社前に、富士通やソフトバンクでシステムエンジニアの経験がある。ITの基盤を理解したうえで、小売業のセンスも備えている。彼の父・敏文氏が率いる日本最大規模の小売業、セブン&アイ・ホールディングスでネット通販ビジネスを手がけるのに、彼ほどの適任者はいない。

 「経営とはへこたれないこと」。自分の信念に従って、良いものを作るために、小さなことをこつこつと積み重ねていく。少年のような純粋さを持ちながらも、決して信念を曲げない強さもある。「リアルとネットの融合」。小売業が目指すべき次のステージへ、彼が導いてくれるだろう。