(写真=村田和聡)

 「加齢黄斑変性症」。目の網膜の中央にある黄斑が光を浴び、老廃物がたまることによって視力が衰える病気のことだ。全米では2000万人の患者がおり、その1割が最終的に視力を失う。窪田君は、この難病の治療薬を生み出すため、米国・シアトルにアキュセラを設立、世界中から集まった研究者とともに研究開発を進めている。

 手塚治虫の『ブラック・ジャック』に憧れた少年は慶応大学卒業後、眼科医として臨床現場に立った。だが、外科手術で治せない患者に直面しているうちに、基礎研究に関心が移り、9年前にアキュセラを立ち上げた。新薬の開発。それが、自分の天命と受け止めたのだろう。

 既に、実際の患者に投与するフェーズIIの初期段階に入った。開発に成功すれば世界初。数千万人の失明を防ぐだけでなく、世界規模のブロックバスターに育つ可能性もある。まだ45歳。彼の飛躍が楽しみだ。