(写真=村田和聡)

 高島さんが2000年に起業したオイシックスは、無添加など安全性に配慮した農産物や加工食品をインターネットで販売するベンチャー企業である。あえて業種を分類すれば、ネット業界に区分されるのだろう。

 だが、一般に想起されるようなネット業界特有の派手さは、彼の人柄からは微塵も感じられない。どっしりと腰を据え、愚直に事業を広げていく。ちょっとしたことではあきらめない。2000年以降、ITバブルの崩壊やライブドア騒動に流されず、着実にオイシックスが成長を続けていることが、何よりも物語っている。

 東日本大震災以降は、東北の「食」を支援する企画を次々と発案、現地の農家と消費者をつなぐ重要なパイプ役となっている。

 ある晩、高島さんと酒を酌み交わした時のことだ。彼は酔うと、高い所から飛び降りたくなるのだという。「常にリスクに立ち向かっていきたい」。地位や肩書に安住しない、その人柄を垣間見た瞬間だった。