(写真=竹井俊晴)

 古い駅ビルから脱却する試みの中で、重松氏の手がける「ユナイテッドアローズ」がルミネに出店してくれたことは、我々にとって大きな転換期となった。それ以降、私たちは共に歩み、成長を遂げてきた。

 創業以来、工業製品としての衣料品でなく、人生を豊かにするファッションを提案している。ブランドはどこも「ライフスタイルを提案する」とうたうが、単に雑貨を扱っているだけの店も多い。だが彼は当初から洋服や雑貨、インテリアを組み合わせて実現される「豊かな生活」を、ユナイテッドアローズで見せてきた。だからファストファッションブームを経ても、彼のブランドは微動だにせず輝きを放っている。

 「進化する老舗」。歴史や伝統を大事にしながらも革新を起こす。変わってはいけないものと、変わるべきものを見極め、進化していく。それが彼の目指すユナイテッドアローズだと聞いた。今、アパレル業界に求められるのは、この革新である。

 ファッションには様々なとんがり方がある。今こそ彼には、疲弊するアパレル業界で新しい輝きを消費者や同業者に示してもらいたい。