(写真:竹井 俊晴)

 矛盾を平気で許容できる人物である。一言で評するならば、「謙虚で頑固な国際派」。

 高校時代には米サンフランシスコに1年間留学し、旧三和銀行勤務時代も米ロサンゼルス支店に駐在している。ユニ・チャーム入社後は台湾にも勤務した。米国だけでなく、新興国で過ごした経験が彼の国際感覚に磨きをかけている。だからこそ、なのかもしれないが、日本で育まれた「ユニ・チャームイズム」には徹底してこだわる。その長所を、様々な視点で捉え直すことができるからではないか。

 「アジアに一極集中する」と市場開拓に邁進する。ところが、ロシアやサウジアラビアにもしっかり次の成長に向けた布石を打っている。一見、矛盾しているのだが、彼は平気でやってのける。

 偉大なる矛盾。それでいいのだ。振り返れば、過去の偉大な経営者は皆、平気で矛盾を抱えた経営を推し進めてきた。矛盾を臨機応変に使い分けることができる。この姿勢で、ユニ・チャームはアジアの大手日用品メーカーへ一気に駆け上がった。今は「アジアNo.1」を目指している。偉大な矛盾を武器に、きっと彼は世界を制するだろう。