(写真:AFP=時事)

 語弊を恐れずに言えば、伊藤忠商事からユニクロに転職し、幸運にも業績が急拡大した時の僕は自信満々だった。それだけに業績が危機的に悪化した時は怖くて仕方なかった。2002年に社長就任を打診された時に断ったのは、断ったのではなく逃げただけだ。

 その後、ユニクロを復活させた柳井正さんは、誰よりも正しい経営をする人だと思う。的確なビジョンとゴールを示し、結果に対しては誰よりも執念深く検証し、正しく実行していく。

 ワンマンだと言う人もいるが、上場企業の経営者である以上、貪欲に成長を目指すのは当然だ。海外展開の加速も外国人社員の急増も、日本が置かれた状況を考えれば極めて正しい。

 それが性急に見えるのは、事実に対して誰よりも真剣に向き合っている裏返しだ。僕も自分の会社を持つようになって、経営者の孤独が少しだけ分かるようになった。今はちょっとだけ、柳井さんに近づけた気がする。