(写真=村田 和聡)

 1980年代のバブル直前に社会人入りした僕ら世代の人間にとって、「ジョルジオ・アルマーニ」は誰もが憧れる高級ブランド。それを日本に持ち込んだ立役者が、伊藤忠商事の岡藤正広社長である。僕がNTTドコモ時代に伊藤忠さんとおつき合いしていたのが縁で、岡藤社長との親交が始まった。

 即断即決、勘定と人情を備えた人。情報化と国際化が一層進む経済環境の中で、今最も求められているタイプの経営者と断言できる。現場から入ってくる情報を次々と咀嚼し、手際よく指示を出していく。合議を重んじる従来の日本型の大組織では難しいスピード経営を、この人はやってのけようとしている。

 加えて、よく現場に足を運ぶ。流行に対する嗅覚は鋭い。躊躇なくアイドルグループ「AKB48」のライブにも行ってしまう。流行の波頭を、独自の感覚が捉えるのだろう。そんな社長がトップに座った伊藤忠だから、目が離せない。