
平時と危機時とで、リーダーに求められる資質は違う。オーケストラの指揮者に例えれば、前者は演奏家の個性に配慮しつつ、演奏を調和させることに心を砕くことが重要だ。一方、後者では、多くの演奏家が演奏不能になるといった状況下で、自らプレーヤーとしての役割も担いつつ、気持ちを1つの方向に持っていかなければならない。
東日本大震災で問われたのは、まさに危機時のリーダーシップだった。そこで、村井嘉浩・宮城県知事は先頭に立ち、的確なメッセージを発信し続けたことで存在感を示した。自衛隊出身で、危機時の器や胆力を磨いたのだろう。県議を経て2005年から知事になっても、大胆な企業誘致戦略を取って、トヨタ自動車の一大拠点を築くなど、大きな功績を残した。
震災によって隣の福島県はしばらくの間、難しい状況に置かれるだろう。福島も含む東北全体の復興の様を世界に発信していく。そうした役割を果たしていくうちに、真の東北のリーダーと称されるはずだ。
[コメント投稿]記事対する自分の意見を書き込もう
記事の内容やRaiseの議論に対して、意見や見解をコメントとして書き込むことができます。記事の下部に表示されるコメント欄に書き込むとすぐに自分のコメントが表示されます。コメントに対して「返信」したり、「いいね」したりすることもできます。 詳細を読む