(写真=ロイター/アフロ)

 ねじれ国会の同意人事騒動の果て“3度目の正直”で選任された白川方明・日銀総裁の評価は「結果オーライ」で定着して久しい。学究肌の理論と経験手腕の実務に裏打ちされた人格・見識は日本経済に対する数少ない信用材料の1つ。日銀では信用機構課長、企画課長などの主要ポストを歴任した。国際会議のたび、白川総裁の発言が注目される。特にバブル崩壊後に日銀が打ち出した果敢な非伝統的政策を欧米諸国が採用し始めてからだ。白川総裁は、“失われた10年”でトラブルシューターとして活躍した。講演テキストが国際金融界で広く“教科書”として読まれるゆえんである。

 若き日、シカゴ大学でマネタリストの教祖、フリードマン教授にも学んだが、反面教師だったようだ。以来、インフレターゲット論には慎重な構えだ。震災復興も含め、すべてが国債依存の昨今の政治・経済論議。日銀に対する国債引き受け圧力にどう対応するか。現在62歳。あと1年余りで任期が切れるが、再任説が強い。現在の経済状況では、余人をもって代えがたいとの評価も手伝っている。ご本人は恬淡として、週末は趣味のバードウオッチングを楽しんでいるが、マーケットウオッチングの方も引き続きよろしくとの声もある。