(写真=柚木 裕司)

 「普通の人」と言えば、何でもない人のように聞こえるかもしれないが、林芳正氏の強みの1つはそこにある。政治家一族として4代目。東京大学卒のエリートだが、そういうにおいを感じさせない。それが信頼感を抱かせる。

 2006年末、私が規制改革会議の議長に決まった際、自民党筋から会議の新しいメンバーの候補を示されたことがある。ところが、これがいい人選とは思えない人ばかり。困って当時、内閣府副大臣だった林氏に相談したら、メンバーをほとんど入れ替えてくれた。

 規制改革は初めての分野だったはずだが、ポイントをつかむ理解力があるからできた判断だろうし、「普通の人」としての敵の少なさが調整力にもなっている。防衛、経済財政担当の両大臣を経験したが、いずれも短期に終わって力を出し切れていない。政策通としての評価も高く、次代のリーダーとの声も強いが、「敵を作り、突破してでもやり切る」力を示せるか。「普通の人」の真価を国民は見ている。