どちらが大統領になっても「険しい道のり」

 実際、どういうスタッフがトランプ陣営に付いて、誰が議会と交渉して減税案をまとめていくのか。もしくは議会共和党が交渉に応じ、トランプ氏を盛り立てるべく党として譲歩することができるのか。大統領としての能力、議会との関係。ここのハードルがまず高い。

やはり、議会との関係が肝になる。

安井:そうですね。今回の大統領選挙では、トランプ氏とヒラリー氏のどちらが大統領になったとしても非常に異例な大統領になる。「国民の半分が『この人にはなってほしくない』と強く思っている大統領」だからです。

 もちろんこれまでだって共和党候補と民主党候補が票を二分してきました。それでも、「この人がなったら嫌だ」とほとんどの有権者が感じている選挙は珍しい。なので、どちらが大統領になったとしても、議会や国民をリードしていくのはものすごく難しいでしょう。

 議会もそれを分かっています。なので今回は、大統領就任から100日間の“ハネムーン期間”がないかもしれません。新大統領は選挙で国民によって選ばれているので、野党は、ある程度大目に見て仲良くします。ですが、今回は最初から対立する可能性がある。

 「私たちの役目はこの大統領の施策を止めることだ」と最初から決めている野党議員をリードするには、かなりの力業が必要でしょう。特にトランプ氏は移民排斥など派手で極端な政策をぶち上げており、議会からの反発が強そうです。そう考えると、減税もどこまでできるのか。道のりはかなり険しいと思います。