グローバルでビジネスを展開する他の企業も、仮にトランプ大統領が誕生すると、米国でビジネスをしようという気が、なくなるでしょうか。

柳井:どうですかね。僕らは認可産業ではないので、こういうことをはっきりと言うことができます。しかし、認可産業の人たちは、僕みたいにはっきりとは言えないでしょう。米政府や日本政府の意向通り動きますから。

多様な人種が共存できるカナダへ移住者増えそう

今年は、ニューヨークのソーホー地区にあるユニクロのグローバル旗艦店が開業して10周年です。9月にはリニューアルオープンしました。店舗の従業員は白人に限らず、多様な国から来た人たちが、働いてきましたね。

柳井:そうですね。ただ、9月末にはトロントにカナダ1号店をオープンして、カナダの方がむしろいいじゃないかと思いました。本当にいろんな人種が入ってきている国です。欧州、南北のアメリカ大陸、アジア、中東と、世界中から人が来て仕事をしている。またカナダは社会保障制度が充実していて、生活コストも安く、生活に余裕があるように感じました。「社会資本主義」とも言えるような状態です。

 米国は人口が多いですが、様々な人種が本当には融合して生活していない面があります。トランプ氏が大統領になったら、カナダに移住しようという人が増えるのではないですか。

現状、トランプ氏はクリントン氏よりも支持率は低いと、米大手メディアは報じています。しかし、ここまでの「粘り強さ」をみると、最後の結果はどうなるか分かりませんね。

柳井:トランプ氏がもし通ったら、米国の終わりの始まりです。共和党の恥ではないですか。共和党の本来の精神から言ったら、もっと人格者を選んでほしい。米国経済は、自由な資本の移動、人の移動、産業の移動によって発展してきたのです。米国が発展してきたこれらの理由を否定するようなことをやろうという不思議な現象が起きつつあります。