米大統領選挙と英国のEU離脱国民投票をきっかけに、デジタル広告事業者と民主主義の熾烈な戦いが繰り広げられている。11月6日に迫った米国の中間選挙でも既にSNS(交流サイト)上で、偽情報の拡散が懸念されている。

 この戦いを制すのは、シリコンバレーか民主主義か。英下院・特別委員会のデーミアン・コリンズ委員長に引き続き聞く。

EU離脱に関する国民投票は「乗っ取られた」と感じますか?

コリンズ委員長:乗っ取られたとは言えませんが、ロシアの機関が国民投票の際、英国の有権者に接触する意思があった、とは言えるでしょう。サンクトペテルブルクの複数の機関を発信元とした、幾万もの偽ツイッターアカウントが、EU離脱支持のプロパガンダを流していたという、多くの研究がなされています。

 フェイスブック(以下FB)に関しては、まだデータに関する研究が出ておらず、この事実を証明する証拠が少ないのですが、さらなる事実が浮き彫りになるかもしれません。ですから、介入の意思はあったと思いますが、どの程度の影響力があったかは不明です。

 これに関連したもう一つの問題は、離脱派の公式団体の資金の使い方です。そこでも違法行為があったのか、現在選挙管理委員会が調査を続けています。

コリンズ委員長は米FBIとも密接に連携しています。米国の中間選挙ではどんなことが起きていますか?

コリンズ委員長:米中間選挙では、(2016年の)大統領選と同様の、ロシアの介入が起きないよう、注力されています。未だに、大統領選における介入の度合いは全て明らかになっていません。

 公的な情報では、ごく少数のFBアカウントが基盤となっており、これらが大量の広告を流す役割を担っていました。実際は、これよりもはるかに多いのかもしれません。

 米国では選挙を守るため、ロシアの介入ネットワークを特定し、これを正しいタイミングで破壊する目的があります。選挙戦に際し、有権者が見るもの、聞くものに影響を及ぼそうとする外的組織がいるのであれば、損害を最小限に留め、影響させないようにしています。

 FBは政治的メッセージや広告に関し、新しい規制を発表しました。そして、政治的な広告を流す組織に対し、その存在を明らかにさせ、さらには過去の実績をユーザーが見られるようにするという、新たな責任を課すことを決めました。中間選挙までに何か起きるか、選挙介入はあるのか。非常に注目され、関心は高いと思います。