主催しているのは、リーズにある英国国教会のオール・ハローズ教会。ここでは週に一度、リーズに逃れてきたシリア難民が、地元のボランティアと共にシリアの郷土料理を調理している。この日は、祝い事の席などで振舞われる、鶏肉と米、野菜の包み焼きがメインとして並んだ。

 食材は、寄付や近隣のレストランや商店の売れ残りなど、不要となったものを利用している。この教会では元々、廃棄用食材を活用しようと2013年に始まった「リアル・ジャンクフード・プロジェクト」に参加していた。英国各地にも広がっているこのプロジェクトでは、こうした食材を捨てずに調理し、主に低所得層向けに提供している。食事をする人は、その時払える分だけ料金を支払う仕組みになっており、この教会では、払える金のない人は、皿洗いや草むしりなどの労働を対価として提供するシステムだ。

 不要食材だからと言って、味は二の次という訳ではない。「本当に美味しい料理を振る舞うんですよ」と語るのは、教会のへストン・グリューネヴァルド牧師(36)だ。シリアン・キッチン立ち上げの、立役者の一人でもある。教会では質の高い料理を提供することで、社会的弱者だけではなく、様々な層の人たちが食事を共にできる場とすることも目指してきた。

 リーズ大学で移民関連の研究で博士号を取得している、ドイツ人のシュテファン・フォルマーさん(29)は「経済的な困窮や、離婚、家を失う経験、また、アルコールや薬物中毒などによって孤独を感じていた地元の人たちと、民族や宗教の異なる人や、あらゆる社会的階層の人たちが一つのコミュニティに集まり、食事を共にできるところが良いと思う」と語る。