“周回遅れ”のリストラ

 「この方向性で進めても、消耗戦になるだけではないか」――。会見での質問に対し、杉浦社長は「三陽独自のものを打ち出せれば」と繰り返すだけだった。

 他の大手アパレルと比較すると、三陽商会は「海外の著名ブランド(=バーバリー)とライセンス契約し、それを主に百貨店で販売する」というビジネスモデルへの依存度が高かった。バーバリーで大成功したため、他ブランドの育成や新規販路の開拓が後手に回った面は否めない。

 「資本政策として、ファンドの活用などは考えていない」。杉浦社長は自力再建に自信をのぞかせたが、先行してリストラに取り組んだワールドやTSIホールディングスは反転攻勢の準備を進めている。リストラ策ですら事実上の周回遅れとなっている現状で、三陽商会の先行き不透明感は拭えない。

誰がアパレルを殺したのか。その未来は?

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併せて、日経ビジネス10月3日号買いたい服がない アパレル“散弾銃商法”の終焉もご覧ください。