「売ったら終わり」ではなく、その先まで考える

不動産賃貸仲介のエイブルと組み、東京・表参道に初の実店舗を出した
不動産賃貸仲介のエイブルと組み、東京・表参道に初の実店舗を出した

昨年、中堅アパレルのストライプインターナショナル(旧クロスカンパニー)が、自社ブランド商品のレンタルサービスを始めました。アパレル企業自らが乗り出したことについて、どう受け止めていますか。

 メーカー側としても、ブランディング上で相応しくないと思えばやらないでしょうし、そういう意味ではポジティブに受け止めています。アパレル業界全体でみると、小売りがゴールになっているような気がします。その後どうするか、にまで視点がいっていないんですね。顧客のライフスタイルを変えようと思えば、「売ったら終わり」ではなく、その先まで考える必要があると考えています。

レンタルサービスは主にインターネット経由で展開しています。顧客の身長や体重、スリーサイズなどの情報が入ってくるし、レンタルした後の反応等も情報として集めることができますね。

 お客様の情報をデータ化して、それをどう生かすかを考えています。我々は消費者に一番近い、いわゆる「川下」で衣服を提供している立場です。今でも小売りの店頭では、「試着したけどこの色味が好きじゃない」など、お客様の嗜好に関する情報がアナログで生まれては消えています。

 我々はそのデータをデジタルで収集できる。それを人工知能で解析できれば、お客様一人一人の正確な好みと、ファッショントレンド全体の把握が同時に出来るようになります。そのデータをアパレルの生産工程に活用すれば、川下から遡っていく新しい生産体制を作れるのではないかと考えました。実際に、人工知能を扱う企業と検討を進めています。

 レンタル対象となる服は10万点ほどありますが、すべて自社で採寸し直しています。袖丈や身幅などの正確なデータを把握することで、実際に利用者に着てもらった際のフィードバックを精緻なデータとして蓄積できます。それを貴重なデータとして人工知能に学習させますが、その手本として、所属スタイリストのコーディネート等のデータを使えるところがうちの強みです。

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