生産工場の情報も掲出し透明性を強調

 価格の横には、このシャツが中国の杭州市の工場で作られたことも掲出している。工場の詳細も商品ページから閲覧でき、工場の場所や内部の様子など詳しい情報を紹介。労働条件にも配慮を怠っていないことをアピールする。

工場が世界各国にあることも掲出している

 ほかにも、スペインやイタリアのレザー工場や、ベトナムのニット工場など、世界各国に工場があることを紹介し、その一つ一つについて、従業員数や工場主などを紹介し、内部の様子や従業員を写真付きで掲載している。

ベトナムの工場の様子。労働環境や、オーナーの名前、従業員の写真など、細かく掲出する

 店舗は全米で2店舗を存在させるに留める。エバーレーンの店舗は、旧来のブランドが考える店舗の位置づけとは全く異なる。飽くまで、店舗はウェブで公開されている商品のフィッティングのための場所。実際に店舗に行ってみると、訪れる顧客の多くがその場で品定めをするのではなく、「ウェブに掲載されていた黒のコートをフィッティングしにきた」というように、店員に対してお目当ての商品を告げる姿が多く見られた。

 彼らの多くが、エバーレーンの魅力を問われると「透明性とデザイン」と答える。予約制のニューヨークの店舗には、ひっきりなしに来客があり、朝9時~夜6時までの営業時間で、平均40組くらいが来店するという。

店舗で商品を渡さない

 店舗は飽くまでショールームの位置づけのため、店内に在庫を積むことはしていない。店舗で購入した場合、顧客はその場でサイトにログインし、購入手続きもすべてウェブ上で完了。「このあと、2-3時間以内に市内の倉庫から自宅に送りますね」と伝えられ、その場での商品の受け渡しはなかった。

 エバーレーンの売上高や会員数は公開されていないが、2013年から2014年までで200%の成長率、会員数は100万人以上とも言われる。2015年8月にはH&Mを経て米ギャップでバイスプレジデント兼クリエイティブディレクターを務めたレベッカ・ベイを招聘し、着実に存在感を高めている。

 今、米国ではこうしたオンライン版のSPAが大きな力を持ち始めている。自社でデザイン・開発を行い、店舗をほとんどもたず、流通コストを最小限に抑えて、消費者に直接届けるモデルだ。

 この流れを作ったのは、2010年に創業したオンラインメガネブランド「Warby-Parker(ワービーパーカー)」だと言われる。メガネが決して安くない米国において、デザイン性の高いメガネを、オンラインの直販で安く消費者に届けるモデルを構築した。ブランド名を全面に押し出して販売する「レイバン」などといった有名ブランドを脅かす存在として「ブランド・ディスラプター(旧来型の“ブランド”を破壊する者)」の代表格に挙げられる。ブランド・ディスラプターは米国で数多く出現し、アパレルブランドや、シューズブランドなどが続々と登場。現在に至っては、ベッドのマットレスを売る「Casper(キャスパー)」なども出てきた。