アパレル業界は自分で自分を殺している
アパレル業界の不振の原因の1つに、業界の閉鎖性があると考えています。父親の跡を継いだ2代目社長として、そう感じることはありますか。
奥ノ谷: 父からは一度も来てくれと言われたことはありませんでした。母が倒れて初めて、父に手伝ってほしいと言われて帰ってきました。
中小アパレル企業や工場の経営者の多くは、事業環境が厳しいことを分かっているから、次世代に継ごうとしません。父もそう思っていたんじゃないですかね。
僕は業界の活性化なんてまったく考えていません。僕らのような規模の会社は、商品を買ってくれる目の前の人たちを喜ばせることしかできません。
だから、アパレル業界の集まりには全く行きませんし、僕と同じような2代目、3代目の集まりにも絶対に行きません。
「奥ノ谷は自分の会社だけが盛り上がればいいと思っている」と言われることもありますが、逆に「経営者が自分の会社を盛り上げることをないがしろにして、ほかに何の意味があるんだろう」と思います。「誰がアパレルを殺すのか」と聞かれれば、「自分で自分を殺しているんじゃないでしょうか」と答えますね。
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