世界15都市の予選を経てベンチャー企業を発掘する

 NTTデータは、ベンチャー企業のアイデアを募集するオープンイノベーションコンテスト『豊洲の港から』を開催している。NTTデータのインフラの強みを生かすため、募集するテーマを「フィンテック」や「エネルギー」などに絞り、必要な機能や目指すビジネスモデルをWEBで詳細に公開していることが、同コンテストの特徴である。

 2014年に第1回のコンテストが開催され、国内の10社が本選に進出した。その後、回を重ね、2018年3月に開催された第7回コンテストでは、東京、ロンドン、テルアビブ、ミラノ、サンパウロ、ムンバイなど世界15都市で予選会が開催され、各地で優秀したベンチャー企業が東京の本選に集まった。

 豊洲市場の近くにあるNTTデータ本社の最上階ホールには、『豊洲の港から』のネームが入った青いハッピを着た集団と、そうでない人達が合わせて数百人も集まった。ハッピを着ているのは日本人だけでなく外国人も多かった。外国人は各地の予選を突破したベンチャー経営者だ。OI創発室長の残間光太朗氏によると、国内外問わず、コンテストはいつもこのスタイルで行われる。

 選ばれたベンチャー企業が矢継ぎ早に登壇し、1社7分の持ち時間を使って、自社技術を懸命にプレゼンする。聴衆の前でベンチャー企業が連続で登壇するイベントはよく見かけるが、「プレゼンしても大人数と名刺交換するだけで、事業進展の効果がない」という不満を、登壇者からよく聞く。その点、『豊洲の港から』は、世界中から集まったNTTデータの事業部スタッフが全てのプレゼンに目を通し、かつ実際に審査員として参加することで、提携機会を増やす工夫をしている。

 会場の前方左側にハッピを着た集団が座っている。社内の事業部を代表して出席している人たちだ。1社のプレゼンと質疑応答が終ると、その都度、司会の残間氏が「さぁ?、この会社と提携したい事業部の人は札を上げてください」と呼びかける。そして、「◯◯人の方が札を上げました。おめでとうございます」と締め括る。

 1970年代の日本テレビ系列で高視聴率をマークした『スター誕生!』のような演出である。この番組は、素人の歌手志望者が毎回登壇して歌い、育成したいプロダクションが札を上げてマッチングさせるという内容だった。桜田淳子さんや山口百恵さんのようなスターが発掘されたことで有名である。