「100年に1度の大変革」と言われる自動車のEV化や自動運転化の競争が象徴するように、新しいテクノロジーへの対応が企業の命運を分ける時代に突入している。大変革への対応に欠かせないのがオープンイノベーションである。その進め方を実践的に解説した書籍『新たなる覇者の条件』の著者が、最新の産業ニュースを踏まえながら、オープンイノベーション成功のポイントを紹介する。

 ベンチャー企業から見て、どのような大企業がオープンイノベーションに積極的と思われているのか?

 経済産業省などがベンチャーを対象に行った調査によると、意外な顔ぶれが上位に並んでいる。ソフトバンク、リクルート、CCC、DMMがベンチャーとの提携に積極的と評価されることは意外ではないが、KDDI、NTTドコモ、NTTデータ、東急電鉄、三菱東京UFJ銀行など「保守的」な企業が上位に位置しているのは驚きだ(参考記事)。

 オープンイノベーションに積極的と評価されている企業は、例外なくベンチャーとの接触機会が多いが、従来からそうだったとは限らない。たとえばトヨタ自動車や三菱東京UFJ銀行などは消極的だったが、自動運転、AI、フィンテックの事業開発ではベンチャーの技術が必要なため「宗旨変え」した。

 大企業とベンチャー企業との「接触」において、単に秘密保持契約を結んでミーティング回数を増やせば成果が出るわけではない。よく考えて仕組みを作って現場に落とし込んだ企業だけが成果につなげることができる。この稿では、ランキングでも上位に評価されているNTTデータを例に取り上げる。

 NTTデータは、イノベーション実現のための5つのステップにおける、「組織をオープンにする」「プラットフォームを進化させる」にひと工夫こらしている。