サービスの範囲を広げた『スマートコンストラクション』

 コムトラックスは日本初の本格的なIoTサービスであり、メンテナンス、ファイナンスなどの顧客対応が向上した。ところが、同社の野路國夫会長によると、コムトラックスだけでは顧客ニーズに十分に応えられないことが分かった。例えば、掘削現場で土砂が山積みになってもダンプカーが来なければ、次の作業に移ることができない。また、ITによって建機やダンプカーを効率よく配備しても、現場の測量に時間がかかれば、高価な通信機付き建機も宝の持ち腐れになる。

 せっかく開発したコムトラックスが顧客ニーズに十分に応えていないので、サービスの範囲を建機から建設現場全般に広げた。それが『スマートコンストラクション』(スマコン)である。

 まず、人が現場を歩いて数日かかっていた測量は、ドローンを飛ばして数十分でできるようになった。また、建設現場には細かい部材が沢山ある。従来は人が形状を測量してデータ入力していたが、スマコンでは、機器が部材を画像解析してデータが自動入力される。さらに、現在の地形データと工事で作り変えたい地形データの両方を入力すれば、建機が自動で作業して工事が完了するところまで進化している。

『ランドログ』によってITプラットフォーマーに対抗する

 スマコンはコマツの事業範囲を広げることに役立った。ただ、建設生産のプロセスをさらに効率化しようと思えば、建機、測量機など機器のデータを集約するだけでなく、作業員が働いた内容、作業の結果で起きた地形の変化などのデータも即時に集約しなければならない。

 改革は続き、2017年7月、コマツはNTTドコモ、SAPジャパン、オプティムと共同で、『ランドログ』というITプラットフォームの構築を発表した。ランドログのソフトウェアの接続仕様(API)は公開されており、誰でもアプリの開発に参加できる。驚くのは、米キャタピラーや日立建機などコマツの競合企業も、ランドログの情報にアクセスできることだ。