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※この記事には映画「シン・ゴジラ」の内容に関する記述が含まれています。

シン・ゴジラの中で、ゴジラを凍結するためのヒントとなったのが「折り紙」だ。日本古来の文化として根付く折り紙は今、「origami」として世界の最先端技術に応用されるようになった。映画制作に際して折り紙の資料を提供した筑波大学大学院システム情報系情報工学域教授の三谷純氏に、折り紙技術について話を聞いた。

三谷 純(みたに・じゅん)
筑波大学大学院システム情報系情報工学域教授
1975年静岡県生まれ。2004年東京大学大学院博士課程修了、工学博士。2005年に理化学研究所研究員、2006年筑波大学システム情報工学研究科講師を経て、2015年より現職。日本折紙学会評議員を務める。著書に「立体折り紙アート~数理がおりなす美しさの秘密」(日本評論社)などがある。 (写真:インタビューカットは的野弘路)

映画「シン・ゴジラ」で資料提供として三谷先生のお名前がありました。どういう経緯があったのでしょう。

三谷純(以下、三谷):1年ほど前でしょうか。メールで問い合わせがありました。

 私のホームページなどで公開している折り紙の展開図が気になったようで。映画の詳細はお話しできないとのことでしたが、せっかくの機会ですので「どうぞ使ってください」と快諾した次第です。

 時間が経っていたこともあり、私自身映画のことをすっかり忘れていまして(笑)。知人に「名前が出ているよ」と言われて思い出したレベルです。

映画の中では、ゴジラを凍結させるために必要なカギとして、折り紙がフィーチャーされました。

三谷:もっと長く使われると期待して観に行きましたが、一瞬でした(笑)。

ゴジラ凍結のカギとなった折り紙の図面。この形状を作り出すための展開図が三谷氏のWebページで公開されている(c2016 TOHO CO.,LTD.)

牧元教授が残した「謎の図面」。米国大統領特使として日本にやってきたカヨコ・アン・パタースンが巨災対に託した平面図ですが、これは平面で見ても意味がなかった。ゴジラの特異な細胞膜の活性を抑制する「極限環境微生物」の分子構造を立体的に表現するデータだったわけですが、折り紙で表現するというのは極めて日本らしいと感じました。

三谷:折り紙は日本の文化であり、それが今では人工衛星など科学技術の分野でも応用されるようになっています。映画の中でも、新幹線や鉄道とともに「日の丸技術」として取り上げられた感があります。