あれ?完全な密室です。どうやってゴジラは東京駅構内に侵入したのでしょう。

ゴジラはいかにして線路を破壊せず東京駅にたどり着いたか(License

 唯一考えられるルートとしては、駅の北東(日本橋口・八重洲北口)から東京駅に侵入した可能性です。

 新幹線爆弾が東海道新幹線のみだったのも、東北・上越新幹線が攻撃に参加できなかった点から推察して、日本橋口・八重洲北口からゴジラが侵入したので線路が崩壊したからではないでしょうか。パンフレットで見ても、東京駅東北側の損傷が激しいです。

 となると、ゴジラは新橋を横切って東に進み、汐留・銀座・有楽町付近を通過して東京駅に回り込むようにして侵入した場合のみ、密室は成立しなくなります。

ゴジラは新橋、銀座を通って東京駅へと筆者は分析(License

 ただしそうなると、東海道新幹線、山手線、京浜東北線が破壊されてしまうので、新幹線爆弾や無人在来線爆弾作戦に支障をきたします。そこが破壊されてしまうと新幹線爆弾はどこからやってきたのか?という話になります。

 可能性としては「突貫でJR東日本・JR東海が工事した」ことです。ゴジラは飛来物を察知することはできますが、足元のタンクローリーには気付けませんでした。

 また、矢口たちは科学技術館から戦闘の行く末を見守っていましたが、東京駅からの距離にして約1.6kmです。一方で新橋駅界隈も同じく約1.6kmあります。

 近付くもの全てを破壊する習性がある、でも矢口たちは対象になっていない(ちなみに歌舞伎タワーは東京駅から1.2kmほど。どこまで人は近付けるかというヒントかも)。よって破壊された線路の修理もゴジラに狙われることなく、たった2週間で完成させたという可能性は残ります。

 日本の技術、凄いなぁという感想を抱かざるを得ません(実現するかは別として)。

「マッピング」で見えてきたこと

 断片的な映像を地図に当てはめることで、考えられる仮説と、様々な事実が浮かび上がってきました。

 文章ではなく、グラフなど図化して気付くこと、閃くことがあります。グラフとは、視覚的に文章を表現することなのです。それが今回の上陸進路マップで伝われば幸いです。

 恐らく庵野監督は分かっていて映像を出しているのではないでしょうか。

 私のような「断片的な情報を繋ぎ合わせて事実を浮かび上がらせる」ことが好きな人間に、格好のエサを与えていただいて感謝します。

読者の皆様へ:あなたの「読み」を教えてください

 映画「シン・ゴジラ」を、もうご覧になりましたか?

 その怒涛のような情報量に圧倒された方も多いのではないでしょうか。ゴジラが襲う場所。掛けられている絵画。迎え撃つ自衛隊の兵器。破壊されたビル。机に置かれた詩集。使われているパソコンの機種…。装置として作中に散りばめられた無数の情報の断片は、その背景や因果について十分な説明がないまま鑑賞者の解釈に委ねられ「開かれて」います。だからこそこの映画は、鑑賞者を「シン・ゴジラについて何かを語りたい」という気にさせるのでしょう。

 その挑発的な情報の怒涛をどう「読む」か――。日経ビジネスオンラインでは、人気連載陣のほか、財界、政界、学術界、文芸界など各界のキーマンの「読み」をお届けするキャンペーン「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」を開始しました。

 このキャンペーンに、あなたも参加しませんか。記事にコメントを投稿いただくか、ツイッターでハッシュタグ「#シン・ゴジラ」を付けて@nikkeibusinessにメンションください。あなたの「読み」を教えていただくのでも、こんな取材をしてほしいというリクエストでも、公開された記事への質問やご意見でも構いません。お寄せいただいたツイートは、まとめて記事化させていただく可能性があります。

 119分間にぎっしり織り込まれた糸を、読者のみなさんと解きほぐしていけることを楽しみにしています。

(日経ビジネスオンライン編集長 池田 信太朗)

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1ページ目5段落目1文目、「パンフレットを読み込み、ネット上での様々な意見を」を「パンフレットを読み込み、ブログ「音楽と城と時々アニメ」さんの記事など、ネット上での様々な意見を」に変更しました。 [2016/09/20 12:15]