
日経ビジネスオンラインでは、各界のキーパーソンや人気連載陣に「シン・ゴジラ」を読み解いてもらうキャンペーン「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」を展開しています。※この記事には映画「シン・ゴジラ」の内容に関する記述が含まれています。
元NHKアナ・堀潤さんに勧められて
「シン・ゴジラ観ましたか。私はもう2回観ちゃいました」──。8月上旬にTOKYO MXテレビの『モーニングCROSS』という番組にコメンテーターとして出演した際、メイン・キャスターの堀潤さんがシン・ゴジラを激賞していた。「ネタバレになるから言いませんけど、永田町や霞が関の描写がなかなかなんです」。
堀さんは元NHKのアナウンサー。NHKを辞めたのは、東京電力福島第一原子力発電所事故のNHKの報道姿勢をツイッターで批判して報道担当を外されたからだとされている。福島原発事故をジャーナリストとして見続けてきた人だ。
もともと初代ゴジラは、ビキニ環礁の水爆実験などが社会を揺るがしていた時代に、核が生み出した怪獣として誕生した。ゴジラに夢中になった筆者世代にとって、それは常識だから、堀さんがシン・ゴジラを激賞する理由もすぐに想像できた。さっそく翌日、観に行った。
霞が関官僚が真っ先に食いついた
シン・ゴジラは、「想定外の危機」に政治家や官僚たちが立ち向かう一種の政治ドラマだ。子供向け怪獣娯楽映画かと思って観ると、理屈っぽく、話が複雑。リアリティが強すぎる。逆に言えば、政治家や官僚の動きを見事に再現した「プロ受けする」映画と言っていいだろう。危機管理に仕事で関わる霞が関官僚が真っ先に食いついたのはこのためだ。

経済産業省の改革派官僚として公務員制度改革などに携わり、退職して独立した後も改革の仕掛け人の役回りを担っている原英史・政策工房社長など、官僚の視点からシン・ゴジラの出来を解説する記事を新潮社のフォーサイトに書いてしまったほどだ(フォーサイトの該当記事)。
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